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再認識した基本的なニーズ [パソコン利用]

 先日の記事で「ネイキッド検索 ベータ版」を紹介しました。これは、視覚障害者にとても配慮されたインターネット検索のサービスです。
作者の方によると、特に以下の点に気をつけて作ってくださったそうです。

  • 検索結果をシンプルに返す
  • 広告は入らないようにする
  • URLや関連リンク等の追加的な情報も思い切って省く
  • 検索結果からリンク先へ移動する際も 「Nakedゲートウェイ」を通してテキスト部分を抽出することで、なるべく読み上げしやすい表示を実現する
  • ページ内検索しやすいように検索結果は20件単位にする
  • 検索結果に上から順番に番号を振る

 ただ、そのWebの主な内容が Flash や JAVAScript でできていたら、テキスト部分を読んだだけではやはり分かりにくいという問題は残ります。読み上げソフトが Flash コンテンツに対応しきれていないという現実もあります。すでに W3Cの「Web Content Accessibility Guidelines 1.0」でも、Webを作成する際に最新技術を用いるときは、それらの技術を利用できない場合も考慮して代替手段も用意することが推奨されています。

 この前、某メーカーのアイスクリームについて調べてみたら商品紹介の肝心の内容部分が Flash でできており読み上げソフトで聴いてもよく分からなくて、かなりがっかりしました。

 一方、ドトールコーヒーショップのサイトはしばらく見ないうちに大変身していました。以前はもっと画像中心でほとんど説明がなかったのに、よくここまでアクセシビリティに配慮してくれたと感動しました。

 インターネットにおいても、どうしても見ることでしか対応できない形式のコンテンツがあるのは仕方がないとは思っています。それは、目の見えない私が漫画を読みたいとか車を運転したいとか言っても無理そうなのと同じです。
 とはいえ、少しでも可能性のある事柄については一つずつ課題を解決していきたいです。


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Sei Ken

こんばんは、お久しぶりです。

デザインとアクセシビリティは両立する、と私は主張してきたのですが、実際にやってみるとそうでもないんじゃないかと思っています。技術的な問題もさることながら、そもそも情報の質が違うからです。だから、「両方提供しなさいよ」とW3Cは言っているわけでしょうけれど。
なんでもそうですが、デザインを優先すればアクセシビリティやユーザビリティを損なうことがあり得ます。家電製品でもある特定のユーザ向けにデザインを考えると、それ以外のユーザにとっては使いにくいものになることがあります。表示文字の大きさだけを考えてもそうです。
昔ながらのラジカセが使いやすいというユーザにとっては、iPodのようなものはとても使えないかもしれない…、そう考えると、現在のウェブはどうなるの?
ということで、いつも答えは出ないのですが。
by Sei Ken (2007-08-20 02:28) 

清沢友加

 Sei Ken さん、一つのものでさまざまな必要性を充たそうとする上での難しさはありますよね。私もやっと本格的にCSSを勉強し始めたのですが、自分の目で表示を確かめられない歯がゆさに加え、いろいろなユーザー環境で試してみなければ実際にちゃんと表示されるのかどうか自信が持てないところもあります。

 たとえば「中谷彰宏公式HP: an-web」(http://www.an-web.com/)にはFlash版とHTML版と各国語版があるので、ユーザーが見やすい形式を選択できるのがいいですね。
 来月発売されるAUの携帯電話機はメールなどの読み上げ機能が充実しているというニュースも、私にとって朗報でした。

 以前に比べたら、目が不自由でも使えるものがだいぶ増えて選択の幅が広がってきたのは嬉しいことです。
by 清沢友加 (2007-08-21 15:03) 

yuki

パソコンの形式について、私は詳しくないので、何が違うとどういう風に便利になるのかが分かりません。
でも、きっと、友加さんが「便利だ!嬉しい!」と思った気持ちを、その会社にメールで伝えてみたら、その会社の人はものすごく喜ぶと思います。
アクセシビリティの大切さを考えるなら、「不便だ」という声をあげるのも大事だけれど、何が「便利」なのか。便利だったことを、どんどんと伝えていくことも大事だと思います。
例えば、ドトールのHPを作った人は、どんな人を念頭にデザインしたのか分からないけれど、友加さんのような人に上手に情報を伝えることができたことを知ったら、他のHPを作るときにも同じ手法で作ってみようと提案する気がします。そうしたら、便利なHPがもっと増えるよね。

ぜひぜひ、友加さん自身の声で、「よかったです。便利です。好きです」というメッセージを伝えてみてはいかがでしょうか。

人は、批判されると悲しい思いしかしませんが、ほめられたり、好きだといわれたら、もっと大きなパワーが出てくると思います。そして、人は批判されたことは他の人に伝えたがらないけれど、ほめられたり喜ばれたりしたことは、きっと別の人に教えたくなってしまう生き物だと思います。

一つの会社が、一つの組織が「こんな人に自分たちのHPが喜ばれました」とアピールしたら、それがもっと多くの人に伝わっていくと思います。ドトールも中谷さんも、発言力や影響力のある組織だと思います。ぜひとも、友加さんが、声をあげてみるべきだと思います。
by yuki (2007-09-04 14:33) 

清沢友加

 先日も、京都でWebのアクセシビリティについての講義をしてきました。
例えば京都府のホームページ(http://www.pref.kyoto.jp/)は、サイト内のどのページにも文字の大きさを調節できる機能が付いているし、サイト内検索のキーワードを入力するところも見つけやすくて、アクセシビリティにだいぶ配慮されていると思います。

 私がブログを始めたのも、お世話になっているたくさんの方々に感謝の気持ちを伝えたかったのと、こんな便利なものやサービスがある、こういう面白いイベントが開かれていると、広く紹介したかったからです。これからも、等身大の視点で前向きに書き続けたいと思っています。
by 清沢友加 (2007-09-05 20:57) 

yuki

またかつての記事を読み返しているyukiです。
友加さんの書いている記事には、何度も繰り返し、違う角度から、違う言葉を使って、すでに何度も「伝える」「声をあげてみる」っていうことをしていたんだなぁ、と実感。以前のコメントを読み返してみて、せっかく友加さんが書いた記事を毎回、すーっと読み飛ばしていたんだと反省しています。
私もずっと立ち止まったままになっていた論文書きにアクセルをかけたいと思います。声を出す。伝える。これは、何度でも違う言葉を使って、違う方法でやり続けていくことが、大事なんだろうね。
by yuki (2007-09-20 14:11) 

清沢友加

 yukiさん、ブログのよいところの一つは、少数派であっても意見や感じたことを自由に書くことができる点です。
例えば、マスコミに取り上げられる障害者は、能力の高い人、芸術やスポーツなどの才能に優れている人、とにかく頑張って結果を出すことができた人たちばかりです。有名になりたいわけではありませんが、それらのどれにも属していない私は一人前に扱ってもらえないような気がするときもあります。

また、私は障害者の権利を主張して守っていくための社会的な運動も大切だとはわかっていますが、日常の生活だけで手一杯でそのような活動に参加できるほどの余力はありません。

しかし、ブログでしたら自分のペースで更新し続けられます。今のところ、これといった実績のない私にも自分の思いを表現する場が与えられているのです。これは、非常にありがたく素晴らしいことではないでしょうか。
by 清沢友加 (2007-09-24 08:56) 

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