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えっ、マヨラー? [日記]

 「ウルトラ・ダラー」(手嶋 竜一著、新潮社)を読んでいます。
もちろん、ストーリーそのものも面白いです。ビーケーワンの書評には『現在進行形の「事実」を表現するためのフィクション』とあり、まさにピッタリだと思いました。

 景色や登場人物の行動を的確に描写することによって、わび・さびのような雰囲気や、切なさや悲しみといった感情が鮮明に表現されていて、うまいなあと感心しました。

 さらに、主人公のしぐさや持ち物に関する説明が小説に現実味を加えており、さすがです。
イギリスからきた諜報員のスティーブン・ブラッドレーは湯島天神の日本家屋に住み、愛車はクラシックスポーツカーのMGBなんて、かっこよすぎるのですが、彼はマヨラーで、素材の味を楽しむ日本料理にもマヨネーズをタップリとかけるのでした。

 さて、正しい選択をするためには、自分の思惑に反する事実を示す情報や、自分の想像を超えた出来事からも目をそらさない姿勢が大切なようです。これは、私がおかれている現状に対して下された診断のようでストンと心に落ちました。

 自分の足元で爆発が起きるまで何も察知できなかったような事態を2・3回経験した私は有能な諜報員には到底なれそうにありません。けれど、この小説に出てくるお手伝いさんみたいな、料理が上手で話のわかる女性にはなりたいですね。


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コメント 3

yuki

著者の手嶋さんは元NHKのニューヨーク支局長だったよね。面白い本に出会うと読み終わってしまうのがもったいなくて、最後の三分の一ぐらいになると、何かと用事を見つけてはお茶を飲みつつ、お菓子を食べつつ、ラストシーンが来るのを引き伸ばしてしまう私です。
私は料理は下手の横好き、議論好き。と男性には敬遠されるタイプのようです…。わはは!
by yuki (2007-04-19 19:46) 

Mitsugu

NHKのあの人ですか。とても独特なしゃべり方をする人で、「あ、手島さんだ」とすぐわかる人ですよね。
by Mitsugu (2007-04-20 06:04) 

清沢友加

 yukiさん、Mitsuguさん、コメントをありがとうございました。
手嶋さんはワシントンに何年かいらしたようですね。

 私は、手嶋竜一さんと竹村健一さんの対談をラジオで聴いて、「ウルトラ・ダラー」を読みたくなったのでした。
そのとき、例えば BBC では、ちょっとしたホームパーティーを開いた場合でも、参加したメンバーがわかるような記念写真(証拠写真)を撮っておくと交際費が出るのに、日本のマスコミは、貴社の情報網や社交力の価値をほとんど評価していないといった話をお二人がしていて、なるほどなと思いました。
by 清沢友加 (2007-04-22 16:37) 

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