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制約があるだけ自由な関係… [日記]

石田衣良 著 『いれない』は「エロスの記憶」(文春文庫)に収められている短編小説です。
セックスを最後まではしないことを約束して、30代既婚の直哉と20代独身の弥生がつき合っていく物語。現実にも十分ありそうな話だと、すんなり共感してしまう私もどうかしているのかもしれない。ラストは切なくて泣けた。
こういう設定を受け入れられる人と抵抗がある人がいるだろうなと思った。結婚しているかどうかでも感想が分かれそう。
私は石田衣良さんのファンで、小説も何冊か読んでいた。『いれない』では、直哉と弥生がだんだん距離を縮めながら親密さを増していく過程がうまく表現されている。

「エロスの記憶」の中では、小池真理子 著 『千年萬年』も良かった。
52歳の主婦であるヒロインの健全さや、夏の午後の気だるい様子が巧みに描かれていた。
その場の雰囲気には風景だけではなくて、においや音も重要なのだと私は学んだ。
全然タイプじゃない男性に指圧をしてもらっているうちに身体が反応してしまうことなどあるのだろうか。私には想像もつかない。
「これといって特徴のない男」といった手加減せずに断定する描写にも大いに笑った。

ちなみに、「エロスの記憶」の録音図書はサピエ図書館にあります。
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